白髪染めとヘアカラーの違い!実は別モノだった!
この記事で分かること
まずは「ヘアカラー」の不思議からウォッチング
髪のキューティクルを開いて、そこにヘアカラーの成分を入れる「1剤」
ここ数年間の間に、ヘアカラーの専門店がかなり増えたようです。歯のホワイトニングにも専門店ができる時代ですから、ヘアカラーの専門店で髪をいろいろに染めてお洒落を楽しみたい人が増えてきたのも、自然の流れでしょう。
この「ヘアカラー」、言葉を聞いただけだととても素敵な響きがあるのですが、実は髪の立場になってみると、ちょっとかわいそうなことをしているようです!
まず、ヘアカラーのやり方からご説明しましょう。ごく普通のヘアカラーには、「1剤」と「2剤」の2種類があります。1剤には酸化染料とアルカリ剤が含まれ、2剤には酸化剤が含まれています。この2つを混ぜると、酸化染料が発色するのです。
これを髪の毛に塗ると、1剤の中のアルカリ剤がキューティクルを開き、そこに隙間ができます。キューティクルが開くということは、同時にキューティクルが剥がれ、髪が傷ついてしまうことでもあります。そして、そこにヘアカラーの成分が入り、内部まで浸透していくのです。
メラニン色素を壊して脱色する「2剤」
また2剤には、化学反応をして発色させるための酸化剤が含まれています。この酸化剤はまた、1剤と化学反応することで髪の細胞をバラバラの状態にし、黒髪をつくる役割のあるメラニン色素を壊して脱色するという役割も果たします。何だかどちらも、文字にすると物騒な感じがしますね。
この「キューティクルを開いて、そこにヘアカラーの成分を入れる」「メラニン色素を壊して脱色する」という2つの方法を使うことによって、ブラウンやパープル、オレンジといった自由自在のヘアカラーが楽しめるのです。
ヘアカラーよりもブリーチ力が低く、染料が多めの「白髪染め」
メラニン色素が抜けた白髪は、髪を染めやすい!
その点、白髪の場合はもともとメラニン色素が抜けた状態なので、ヘアカラーの2剤で行うような脱色の作業はあまり必要ありません。まさに“災い転じて福となす”という感じですが、すでに色が抜けている分だけ「白髪は髪を染めやすい」というメリットがあるのです。そのため、白髪染めの成分はヘアカラーに比べてブリーチ力が低く、逆に染料が多めになっています。
白と黒が混ざった髪にも、きめ細かな配慮のある白髪染め
もちろん、染める髪のすべてが白髪というわけではありません。白髪染めをする人のほとんどは、白髪も黒髪も、はたまた白髪のなりかけも混じっているのが現状です。
かといって、白髪だけをピックアップして染めていたら気が遠くなってしまうので、現実には白も黒もすべて一緒に染めるという方法をとります。白髪染めには黒髪と白髪の色を合わせるような工夫がされているものも、少なくありません。
白髪染めは髪に優しい? それとも…
さて、白髪染めの方法ですが、文章の成り行きで「もしかして白髪染めは、髪に優しいのでは?」と思い込んでいた人がいたらごめんなさい! 残念ながら、白髪染めも髪にダメージは加えます。
白髪染めとヘアカラーは、先ほどお話した「アルカリでキューティクルを開き、髪を脱色してから染める」という方法に関しては、変わりはありません。では何が違うかというと、白髪染めはヘアカラーに比べてブリーチ力が低く、染料の含有量が多めです。
「ブリーチ力が低いなら、髪が傷みにくい筈だけど、白髪染めでもけっこうボロボロ」という人は、やはり頻繁に白髪染めをしているからでしょう。髪へのダメージ自体はヘアカラーより少ないものの、白髪染めは頻繁にやらないと白髪が目立ってしまうので、結果的にはヘアカラーも白髪染めも同じくらい髪が傷んでくるのです。
そこで結論! 白髪の人は、やっぱり白髪染めを使った方がいいの?
「ヘアマニキュア」も、選択肢のひとつ
はい! 答えは「Yes」です。ついつい、「白髪染めを買うより、ヘアカラーを買うほうがはずかしくないから」と、そちらに手がいきがちですが、やはりそこは“餅は餅屋”。白髪染めなら白と黒が混ざった状態でも美しく染まりやすく、ヘアカラーよりも髪が傷みにくいので、そちらを使った方がいいでしょう。
ちなみに、ドラッグストアで「ファッションカラー」とか「おしゃれ染め」と書かれているのがヘアカラーで、「白髪染め」「グレイカラー」などと書いてあるのが白髪染めです。
さらにいえば、「ヘアマニキュア」の方がさらに髪にはいいのですが、数週間で色落ちしてくるので、忙しい人や面倒くさがりの人には不向きでしょう。色落ちしやすい分、頻繁に使うことになるので、コストもそれなりにかかります。
最近ユーザーが増えつつある「白髪用ヘアトリートメント」
また、最近は白髪染めを使う回数を少なくするか止めて、白髪が黒く染まる「白髪用ヘアトリートメント」を使っている人も多いようです。これなら髪に対する負担も少なく、手についてしまった色も落ちやすいので、一大決心をしなくてもササッとできますね! もちろん、トリートメントなので色の落ち方も豪快ですが、習慣的に続けているとだんだん色が落ち着いてきて、やがて数週間に1回程度のタイミングでも大丈夫になってきます。
一番避けたいのが、「毛染めをしようと思ったけど、面倒で延び延びになっている」という状態!手入れをしていない白髪混じりの髪は、10歳以上も老けて見えてしまうこともあるので、くれぐれも白髪によるイメージダウンだけは避けたいものです。いまの髪の状態や、面倒くさがりな性格かどうかなども考えながら、自分に一番合った毛染め剤を選びましょう!
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