白髪染めをしたら湿疹(皮膚炎)が!ジアミンアレルギーの初期症状かも?
白髪染めやヘアカラーで皮膚がかぶれたり、湿疹やフケなどに悩まされ人が、今とても増えています。
「私はもう10年以上使い続けているから大丈夫」と思っている人も、もしかしたら15年後に症状が出るかも! なぜなら、毛染めによる皮膚炎には「一時刺激性」のものと、「アレルギー性」のものがあるからです。
この記事で分かること
白髪染め薬剤の刺激による「一時刺激性皮膚炎」の原因
自分に合わない白髪染めを使っているかも!
白髪染めを使い始めて、あまり時間がかからない内にかゆみやピリピリ感などが出た場合は、「一時刺激性」によるトラブルの可能性が高いでしょう。
一時刺激性の皮膚炎の場合、多くの原因となっているのは、白髪染めに含まれている「酸化染料」です。この酸化染料、髪を染めるためにはとても重要な成分なのですが、同時に皮膚トラブルの主犯格でもあるのです。
皮膚トラブルの番長「パラフェレンジアミン」
その主犯格の中でも番長的な存在が、酸化染料の主成分であるジアミン系の化合物「パラフェニレンジアミン」です。
白髪染めの成分表示にこれが含まれていたら、それが原因で皮膚炎になった可能性が濃厚です。医師の診察で「ジアミン系の化合物が原因」とわかった時は、自分の体質に合わない白髪染めを使っていたということですね。
「一時刺激性」の皮膚炎になった時の対処法
白髪染めを使って皮膚に赤みが出たり、かゆみやピリピリ感などの症状がでた時は、なによりもまず白髪染めの使用を止めることが先決です。かといって、白髪をそのまま放置するわけにはいきませんね。
新しく白髪染めを使うなら、なるべく刺激の少ないトリートメントタイプの白髪染めや、ヘアマニキュア、粉のタイプの白髪染めなど「ノンジアミン」の白髪染めを選びましょう。
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また、一時刺激性の皮膚炎になった人は、それがアレルギー性皮膚炎の初期段階である可能性も考えておいたほうが賢明です。
「あ、ピリピリする!」と思いながら、それでも白髪を染めたくてジアミン系の白髪染めを使い続けてしまうと、いつかは正真正銘のアレルギー性皮膚炎になってしまうことも無いとはいえないでしょう。
後から症状が出る「アレルギー性皮膚炎」の原因
ジアミン系の化学物質
一時刺激性の皮膚炎は、白髪染めを染めてからあまり時間がかからない内に症状が出るのですが、ちょっとやっかいなのは「アレルギー性」の皮膚炎です。
これはジアミン系の化学物質が関係していることが大半なので、俗にジアミンアレルギーとも呼ばれています。
このように白髪染めによってアレルギー症状が起きるのは、何回か白髪染めを使い続けた後に出る場合がほとんどです。
中には10年以上使い続けた後に、突然症状が現れる人もいます。頭皮の赤みや湿疹・かぶれ・フケ・抜け毛など症状は人によってさまざまで、ひどい時には呼吸困難になってしまうケースもあります。
こうした白髪染めによるアレルギー症状の原因も、ジアミン系の化学物質と深く関連しているようです。
「アレルギー性」の皮膚炎になった時の対処法
白髪染めによってアレルギー性の皮膚炎になった場合は、症状の種類や重さによって対処法がさまざまです。
たとえば白髪染めをした次の日に目や顔が腫れて、病院で「ジアミンアレルギー」と診断されたAさんの場合。腫れの症状を抑えるためにステロイドの点滴をしても腫れは治まらず、副腎皮質ステロイドの薬を飲み、頭皮にもステロイドを塗りました。
Aさんの場合は、アレルギーの症状が治まるまで1ヶ月近くかかり、当然白髪染めを再開するどころではありません。では症状が治まればまた白髪染めを使えるかというと、そこがまた難しいところです。
ステロイドはあくまで症状を抑えるための薬なので、アレルギーそのものを改善するわけではありません。アレルギー症状が出た後にもしジアミン系の白髪染めを使うと、さらに症状が重くなる危険性があるのです。一般的に「ジアミンアレルギーを発症したら、ジアミン系の白髪染めは二度と使えない」というのが定説です。
では「白髪染めはもう使わない」と言えるかというと、そんなわけには絶対にいかないですよね。アレルギー症状が出た人は、医師に相談しながら慎重に白髪染めを選ぶ必要があります。もちろんジアミンを使わない白髪染めを選ぶことは、大前提でしょう。
ゴム製品や化粧品も要注意!
いったんアレルギー症状が現れると、白髪染めだけでなく、ゴム製品や一部の化粧品でも接触性皮膚炎を起こすリスクが高まります。
ゴム製品には老化防止剤に使われている成分が含まれていたり、化粧品には「ハイドロキノン」というシミ消し成分や、「赤色225号」という色素が含まれているものもあるからです。化粧品を使う際には、必ず成分表示を見る習慣をつけましょう。
白髪染めで皮膚炎(湿疹)が出た時は体質改善も大事
また、白髪染めによってアレルギー症状が出たのは、白髪染め以前に自分自身の化学物質などへの耐性が弱っていた可能性を考えることも大切です。
要するに白髪染めはたまたま引き金となっただけで、もともと自分の中には、アレルギーの要素が眠っていたということです。
アレルギーの原因物質を水に、コップを身体にたとえてみましょう。コップに水を少しずつ入れるとだんだん溜まってきますね。表面張力のところまでは、なんとかこぼれないようにコップも頑張りますが、その後は外にこぼれ落ちてしまいます。
同じようにアレルギーの原因物質が身体に少しずつ溜まっていっても、ギリギリのところまでは身体も頑張って悲鳴をあげません。それがある日、どうしても我慢できなくなるとドッと一気に症状が出始めるのです
でも、「アレルギー性皮膚炎になったらもうお終い!」と、嘆くことはありません。適度な運動や和食中心の食生活、規則正しい睡眠といった生活習慣の改善をすることで、症状を和らげることは可能なのです。
「自分の健康は自分で守る」という気持ちで健康管理を行い、筋肉をつけて血液をサラサラにする努力をしましょう。