白髪が染まる仕組みはこれだった!白髪染めの不思議!
白髪に毛染め剤を付けてしばらくおくと、まるでマジックのように髪の毛が染まりますね。この現象、当たり前のようでいて、よく考えてみるととても不思議な現象です。ただ単に髪のまわりを黒い色で包んだだけでは、何回か洗ううちに滑るように取れてしまう筈ですから。
そうです! そこには「キューティクルを刺激して髪の内部に入り込む」という、白髪染めの並々ならぬ努力があったのです。
この記事で分かること
なぜ白髪染めは「1剤」と「2剤」に分かれているの?
薬剤が直前に化学反応するよう、わざわざ2種類になっていた!
白髪染めの2種類の薬剤を見て、「どうせ混ぜるのだから、最初からひとつになっていればいいのに」と思ったことはありませんか? 確かに、白髪染めの多くは薬剤が「1剤」と「2剤」という2種類に分かれていて、それを染める直前に混ぜて使うようになっています。ちょっとこのひと手間、できれば時間短縮のためにも省きたくなるところですね。
でも、「あ~もう、面倒なのに」などと、嫌がらないでくださいね! 実は白髪染めの1剤と2剤は、混ぜると化学反応が起き黒褐色や赤色などに発色するのですが、時間が経過すると化学反応が進んでしまって効力が弱まってしまうのです。それで、やや面倒ではあっても直前に混ぜないと、いい状態には染まらないという訳です。
この仕組みがわかっていると、1剤と2剤を混ぜる時も、何となく感謝の気持ちが沸いてきそうです。また、「白髪を染めようと思って1剤と2剤を混ぜちゃったけど、今日はもう疲れちゃったから明日にしよう」というのは、毛染め効果を考えれば絶対にタブーですね!
「1剤」と「2剤」には、それぞれどんな役割があるの?
「1剤」が髪のキューティクルを開き、その隙間に黒髪の成分を入れる
1剤には「酸化染料」と「アルカリ剤」という、2つの成分が含まれています。酸化染料は髪の色の元となる成分です。この1剤を2剤と混ぜて髪の毛に塗ると、アルカリ剤がキューティクルを開き、そこにできた隙間に酸化染料を入れることで白髪が黒髪へと変わるのです。
“キューティクルを開く”というと、聞こえはいいのですが、要はキューティクルに傷をつけて、表面を剥がしているということ。人間にたとえたら、爪で皮膚を引っかいてしまったようなものです。傷つくことでそこに隙間ができるので、白髪染めの成分が髪の内部に何とか潜入できるというわけです。
「それじゃあキューティクルがかわいそう!」と思ってしまいますが、これは白髪を染めるためには、仕方のない方法でもあります。自然素材を使った粉の白髪染めや、トリートメントタイプの白髪染め、ヘアマニキュアなどはキューティクルを傷めることはありませんが、それなりに一長一短もあります。一般的な白髪染めは比較的簡単にしっかり染まるので、愛用者も多いのでしょう。
酸化剤が入った「2剤」を入れることで、発色する
また2剤には、化学反応をして発色させるための酸化剤が含まれています。この酸化剤はまた、1剤と化学反応することで髪の細胞をバラバラの状態にし、黒髪をつくる役割のあるメラニン色素を壊して脱色するという役割も果たします。ただし、もともと白髪は脱色された状態なので、白髪染めはお洒落染めのヘアカラーに比べて脱色成分は少なめです。
こうして酸化染料とアルカリ剤成分を持つ1剤と、発色させるための酸化剤を含む2剤を混ぜて髪に付けることで、キューティクルを開いて美しい黒髪に染めることができるのです。このやり方で行う白髪染めは「永久染毛剤」と呼ばれています。もちろん、永久的に色が落ちないわけではないのですが、最も色落ちしにくい毛染め剤であることは確かでしょう。
ところで、白と黒が混ざった髪の人はどうなるの?
白髪染め専用の製品は、黒髪と白髪の色味を合わせてくれる
「白髪染めというけれど、私のように白髪と黒髪が混ざっている人は大丈夫なの?」と思う人もいるでしょう。結論から先に言うと、大丈夫です!
白髪染めをする人のほとんどは、白髪と黒髪が混ざり合っていたり、中には白髪のなりかけのような髪もあるのが現状です。こうしたすべての髪を、白髪染めは一緒に染めてしまうので、気になるのも無理はありません。
でもご心配なく! 白髪染めには黒髪と白髪の色味を合わせるような色作りがされているので、けっして不自然な状態に染まることはありません。そういうことも考えると、やはり白髪の人は白髪染め専用の製品を選ぶのがベストといえます。
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